物価高騰下の自動車維持費と「休眠車」の実態調査:5.6%が保有し、手続きの煩雑さが手放さない要因に

物価高騰下の自動車維持費と「休眠車」の実態

近年、物価上昇が継続する中で、家計の見直しや固定費削減への関心が高まっています。特に自動車は維持費が発生する項目であり、その動向は生活コストに直結します。一方で、ほとんど使用されていないにもかかわらず保有され続けている「休眠車」の存在も指摘されており、その実態が注目されています。

調査概要

本調査は、全国の自動車保有者300人を対象に、2025年12月11日から12日にかけてインターネット調査として実施されました。調査の目的は、物価高騰下における自動車の維持費に対する意識と、「休眠車」の実態を明らかにすることです。

物価高騰と自動車維持費削減意識

物価高騰の状況が車の買い替えや維持方針に影響を与えたかという問いに対し、回答者の53.3%が「維持費削減を意識するようになった」と回答しました。この結果は、自動車の維持費が多くの生活者にとって重要なコスト要因となっていることを示唆しています。

物価高により、車の買い替え・維持方針に影響はありましたか?

「休眠車」の保有状況

家庭にほとんど動かしていない車、すなわち「休眠車」があるかどうかの問いに対しては、94.3%が「ない」と回答しました。しかし、5.6%の家庭では「休眠車」を保有していることが明らかになりました。

ご家庭にほとんど動かしていない車はありますか?

休眠車を保有する人に対し、どのくらいの期間動かしていないかを尋ねたところ、「3ヵ月〜半年未満」が58.8%と最も多く、次いで「半年〜1年未満」が23.5%、「2年以上」が17.6%となりました。一部の休眠車は長期間にわたって放置されている実態がうかがえます。

どのくらいの期間動かしていませんか?

休眠車が抱えるトラブル

休眠車が経験したトラブルとしては、「バッテリー上がり」と「タイヤの劣化」がともに52.9%で最多でした。その他、「オイル漏れ」や「車内のカビ・異臭」が23.5%と報告されています。バッテリー上がりは一般的に1ヵ月程度の放置で発生する可能性があり、長期放置はバッテリー寿命の短縮だけでなく、他の内部部品の劣化にも繋がりかねません。休眠車は維持費がかかるだけでなく、車両の状態悪化や環境汚染につながる可能性も指摘されています。

「ほとんど動かしていない車」が経験したトラブルはありますか?

休眠車を手放さない理由と今後の意向

休眠車を手放さない理由については、「思い入れがあり捨てられない」と「まだ手放す理由がない」がともに41.1%で最多でした。次いで「手続きが煩わしい」「時間がない」が29.4%と続き、心理的な要因と実務的なハードルが複合的に影響していることが示唆されます。

「ほとんど動かしていない車」を手放さない理由を教えてください。

今後の予定については、「売れるなら売りたい」と「まだ保有しておく」がともに35.2%で最多となり、意見が分かれる結果となりました。「売れるなら売りたい」という意向があるにもかかわらず、「手続きの煩わしさ」や「時間がない」といった理由から休眠車状態が続いているケースも少なくないと考えられます。

廃車買取サービスの認知度

廃車手続きを代行するサービスの存在について、「詳しく知っている」と回答した人はわずか4%にとどまりました。「なんとなく知っている」が36%、「名前だけは聞いたことがある」が34.6%である一方、「全く知らない」が25.3%にのぼり、サービスの認知度が十分には浸透していない現状が浮き彫りになりました。

廃車買取サービスについて知っていることを教えてください。

自動車業界における「休眠車」の課題と今後の展望

本調査から、物価高を背景に自動車の維持費削減意識が高まる一方で、実際にほとんど利用されていない「休眠車」を保有し続けている層が一定数存在することが明らかになりました。休眠車は、長期間の放置による車両トラブルや状態悪化を招き、家計への負担、安全性の低下、さらには環境への影響といった多角的な課題を抱えています。

休眠車を手放さない理由としては、心理的な「思い入れ」に加え、「手続きの煩わしさ」や「時間がない」といった実務的なハードルが大きく影響していると見られます。また、廃車手続きを代行するサービスの認知度が低いことも、休眠車が放置され続ける要因の一つと考えられます。

物価高が続く現代において、使用されていない自動車の保有は、見えにくい形で家計の固定費を圧迫する可能性があります。また、車両トラブルや環境負荷といった社会的な課題にも繋がりかねません。今後は、「休眠車」という存在を可視化し、生活者が自身の状況を認識し、納得して判断・行動できるような情報提供や支援の充実が求められるでしょう。これにより、より合理的で持続可能な自動車の保有・手放し方の選択が促されることが期待されます。

その他の調査リリースについては、以下のリンクをご参照ください。

グラフを見る際の注意点:パーセンテージ表示は小数点以下第2位で四捨五入しているため、合計値と計算値が一致しない場合があります。